当院は精密検査に力を入れております。血尿の精密検査、前立腺がん検診、膀胱がん検診、性病検診には自信があります。疾患がみつかり、大きな手術が必要な場合には、総合病院・大学病院と連携をとり対処しております。
前立腺炎とは?
前立腺が炎症を起こし、排尿時の痛み、頻尿、残尿感といった症状が現れます。
前立腺炎には、細菌感染が原因で、特に高熱を伴う「急性前立腺炎」と、必ずしも細菌感染とは関係無く、症状が長く続く「慢性前立腺炎」があります。急性前立腺炎は悪寒、戦慄を伴った発熱のほか、排尿痛、頻尿、尿混濁等、発熱を除けば急性膀胱炎に似た症状があります。慢性前立腺炎は、発熱はほとんど無く、会陰部痛、尿道不快感、排尿痛等があります。
前立腺炎の治療法
急性前立腺炎の場合は、細菌に対しての抗菌薬が処方されます。
慢性前立腺炎の場合は、抗菌薬以外に症状を見ながら、別の治療(植物製剤、漢方薬の投与、前立腺肥大症等の基礎疾患の治療等)も併せて行います。
前立腺肥大症とは?
前立腺肥大症は、高齢男性において最も頻度の高い疾患の1つで、60歳の男性で50%以上で、85歳までに90%に認められ、その1/4の方に症状が出ると言われています。
前立腺の内側(内腺)が肥大し、尿道を圧迫することで、排尿が始まる(あるいは終わる)までに時間がかかったり、尿の勢いが弱くなったり、排尿後に残尿感があったりします。一方、膀胱を刺激するので、1日に何度もトイレに行き、急に排尿したくなり、排尿が我慢できずに失禁することもあります。
前立腺肥大症を放ったままにしておくと、肥大した前立腺が尿道を圧迫し、残尿の発生から腎不全になることもあります。
前立腺肥大症の症状
▦ 尿が出にくい
▦ 尿の勢いが弱い
▦ 夜間の頻尿
▦ 残尿感
前立腺肥大症の治療法
薬による治療
前立腺の被膜の緊張をゆるめて排尿をスムーズにする薬や、肥大した前立腺を小さくする薬等を処方致します。薬の効果がみられない場合は手術を行います。
薬以外の治療
おなかを切らないで、尿道から内視鏡を挿入して前立腺を切り取る内視鏡手術やレーザー療法等もあります。
当院では前立腺肥大症の治療にはレーザー治療、手術療法は行っておりませんが近くの総合病院や大学病院へ紹介することで対応しています。
前立腺肥大症の水蒸気治療WAVE治療について
2022年9月から前立腺肥大症の新しい低侵襲的治療法として水蒸気治療WAVE治療が保険適用になりました。
当院を通して医療連携病院の岡村一心堂病院での加療が可能になりました。
WAVE治療の前後の検査、加療などは当院で行い、WAVE治療自体は岡村一心堂病院にて1-2泊の入院で加療します。
ご希望の方はお気軽にご相談ください。
担当医師は水田皮膚科泌尿器科 賀来春紀先生です。毎週木曜日診療。
賀来医師は現在岡村一心堂病院の泌尿器科部長で、岡山大学泌尿器科講師時代より20年以上当院の非常勤医師として勤務しております。
経尿道的水蒸気治療WAVEは103℃の水蒸気を9秒間噴霧し、前立腺組織を約70℃まで上昇させ組織を壊死させる治療を行います。水蒸気を利用しているためムラのない治療効果が実現され、尿道粘膜や性機能温存を可能としました。
平均治療時間は10分未満です。
高齢など外科的治療に対してリスクがある方にとって低侵襲で新たな選択肢となる治療方法です。
前立腺がんとは?
前立腺がんは、前立腺にできるがんで、がんの成長には男性ホルモンが関係しています。アメリカでは、男性のがんの中で罹患率(りかんりつ:人口に対する疾病にかかる比率)は1位、死亡率も上位で、わが国でも高齢化や食生活の欧米化とともに、急激に増加しつつあります。50歳未満の人では少なく、60歳くらいから急増する典型的な高齢者がんです。
早期には症状が無く、がんが進行してから前立腺肥大症と同様の症状がみられるようになります。腫瘍マーカーPSA(前立腺の細胞が作り出す特定のたんぱく質を血液検査で測定する検査)により、かなり高い確率でがんを早期発見することができます。
前立腺がんの治療法
内分泌療法(ホルモン療法:男性ホルモンを抑える治療)、前立腺を取り除く手術(前立腺全摘除術)、放射線療法等を行います。治療法はがんの進行度、薬の治療効果や副作用、性生活への影響等を考慮して決めます。
尿路結石症とは?
尿路結石症は、腎臓、尿道、膀胱等の尿路に、尿の成分の結晶が析出し、その結晶を核として石ができる病気です。結石の成分により「カルシウム結石」「尿酸結石」等に分けられますが、尿路結石の約80%gはカルシウム結成(シュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム)です。
尿路結石症は、結石のある場所によって「腎結石」「尿管結石」「膀胱結石」「尿道結石」に分けられます。
日本人の約15人に1人は、一生のうちに一度はこの病気になると言われています。食生活の欧米化に伴い、昔多かった膀胱結石、尿道結石は減り、日本人の場合95%以上は腎結石または尿管結石です。
結石の大きさはさまざまですが、6mmを超えると自然排石が困難になります。腎結石のほとんどは痛みがありませんが、腎結石が尿管に下降した場合には、腰背部や下腹部に激烈な痛みを伴うことが多くあります。
治療後、5年間では2人に1人は再発するとも言われています。
尿路結石症の治療法
腎結石
痛み等の症状や感染が無く、腎機能に影響が無い場合は経過観察し、特に治療する必要はありません。石が体外に出にくい場合、痛みが非常に激しい場合や水腎症、腎盂腎炎を再三合併する場合等は、体外衝撃波腎結石破砕術、経皮的腎結石砕石術(内視鏡手術)等の手術が施行されます。
尿管結石
石の直径が6mm以下の場合は、水分を多く摂り、運動をすることで自然に排石される確率が高くなります。痛みが激しい場合、感染症を合併した場合、なかなか排石しない場合は、体外衝撃波結石破砕術、経尿道的尿管結石砕石術(内視鏡手術)等の手術が施行されます。
また、自然排出の可能性がある場合は、尿管を拡げる内服薬や痛み止めの坐薬を使用することで様子を見る方法も多々あります。
尿路結石症の予防法
▦ 水分を十分に摂りましょう。
▦ 適度なカルシウムの摂取。
▦ バランスのとれた食事。
副睾丸炎とは?
副睾丸炎とは、精巣の上にある副睾丸(精巣上体)が、細菌の感染によって炎症を起こす病気です。
副睾丸炎の症状
▦ 発熱
▦ 激しい痛み
▦ 副睾丸が腫れあがる
副睾丸炎の治療法
副睾丸炎の治療は、抗生剤の使用と、患部を湿布等で冷やすことによって治療致します。
睾丸炎とは?
睾丸炎とは、睾丸が炎症を起こす病気です。細菌による感染も原因の1つですが、おたふくかぜのウイルスによる感染が多いです。
男性不妊の原因となることもあります。
睾丸炎の症状
▦ 発熱
▦ 激しい痛み
▦ 睾丸が腫れあがる
睾丸炎の治療法
睾丸炎の治療は、基本は消炎鎮痛剤の投与です。場合によっては抗生剤の使用と、併せて睾丸を吊って固定することによって痛みを和らげることができます。
睾丸腫瘍とは?
睾丸腫瘍とは、その名のとおり睾丸に腫瘍ができる病気です。
陰嚢が大きく腫れていることで発症に気が付くことが多いですが、痛みや発熱を伴わないので、自分で早期に発見するのは難しいです。
睾丸腫瘍の症状
痛み等はありませんが、睾丸が大きく腫れ、しこりができますので注意が必要です。
睾丸腫瘍の治療法
早期発見できれば、睾丸摘出手術で治療できます。他の部位に転移が確認された場合は、抗がん剤による治療を行います。
陰嚢水腫とは?
陰嚢水腫とは、睾丸を包んでいる膜に水がたまり、陰嚢が大きくなる病気です。大きくなるだけで、特に痛み等はありません。
陰嚢水腫の治療法
注射器で水を抜くことも多々ありますが、しばらくするとまた貯まってしまいますので、水のたまった袋を切除する手術を行うことによって根本的に治療致します。
手術する場合は近医総合病院に紹介しています。