光線治療

光線治療(ナローバンドUVB治療)について

光線治療(ナローバンドUVB治療)では、紫外線B波のうちの限られた波長の光を照射する治療法です。
乾癬のほか、掌蹠膿疱症、アトピー性皮膚炎白斑円形脱毛症・皮膚瘙痒症等にも効果が期待できます。


ナローバンドUVBの種類

ダブリン

ダブリン

皮膚瘙痒症(そうようしょう)、尋常性乾癬、アトピー性皮膚炎に効果的で、一度に短時間で全身に照射できます。

デルムアレイ 400

デルムアレイ 400

広範囲の皮膚瘙痒症、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬に使います。

デルムアレイ 200

デルムアレイ 200

部分的な皮膚瘙痒症、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬に効果的です。




その他の治療

ターナブ

ターナブ

局所の白斑症アトピー性皮膚炎の痒みに使います。

セラビーム(エキシマライト)

セラビーム(エキシマライト)

手掌、足底の皮膚炎、掌蹠膿疱症、尋常性乾癬、円形脱毛症、白斑症など局所の治療に使います。

セラビーム(エキシマライト)

ヴィトラック

局所の難治性皮膚疾患に使います。


乾癬

乾癬とは?

乾癬とは、皮膚が赤く盛り上がり、その上に乾燥した白い垢が厚く付着し、それがぽろぽろとはがれ落ちる皮膚の病気です。慢性難治性の病気です。
乾癬が起こる原因ははっきり分かっていませんが、遺伝的な要素がある程度関係し、ストレス、感染症、薬剤等の外的因子や、肝臓病、糖尿病等の内的因子が加わって発病や悪化をするのではと考えられています。また、免疫反応の異常で起こる炎症疾患であると考えられています。
乾癬はウイルスや細菌、かびによる病気では無いので、感染する心配はありません。


乾癬の症状

皮膚が赤く炎症する、皮膚が盛り上がる、かゆみ、皮膚に乾燥した白い垢が厚く付着し、ぽろぽろとはがれおちる、等の症状があります。


乾癬の治療法

乾癬は、内服薬、外服薬のほか、光線治療(ナローバンドUVB又はエキシマライト、ターナブ、ヴィトラック)によって治療することができます。


乾癬にかかってしまったら?

肉類や脂肪分の多い食事は控えましょう。
 アルコールやたばこ等の嗜好品はできるだけ避けましょう。
 入浴はこまめに、皮膚を清潔に保つことも大切です。
 お風呂で皮膚をごしごし洗うのは避けましょう。
 精神的なストレスでも乾癬が悪化するので注意が必要です。
 風邪等の感染症にかかると乾癬が悪化するので、うがいをする等の予防をしましょう。
 日光浴をしましょう(急な日焼けには注意しましょう)。


白斑

白斑とは?

白斑(尋常性白斑)とは、皮膚の色素が消失してしまい、皮膚のところどころが白く脱色してしまう病気です。患部が白く脱色してしまいますが、かゆみや痛みを発することはありません。
白斑には「限局型」「汎発型」「神経分節型」の3種類があります。

  • 限局型
    体の一部に白斑の症状が現れているもの。
  • 汎発型
    全身に白斑の症状が現れているもの。
  • 神経分節型
    神経の通り道にそって白斑の症状があらわれているもの。


白斑の原因

白斑の原因ははっきり分かっていませんが、自分の抗体がメラニン色素を作るメラノサイトと言う細胞を攻撃することによって機能が停止し白斑が発症する、と考えられています。
また、神経分節型の場合、自律神経の障害が原因と考えられています。


白斑の治療法

当院では、白斑の治療に光線治療(ナローバンドUVB又はエキシマライト、ターナブ、ヴィトラック)を行っています。


ナローバンドUVB

ナローバンドUVB療法とは?

Narrow band UVB
(狭い) (域) の紫外線B波
紫外線の中には、UVA、UVB、UVCの3種類がありますが、UVBの中でも特定の狭い波長域(311~313nm)を利用したものがナローバンドUVBとなります。
乾癬、白斑、アトピー性皮膚炎などの皮膚病に効果があります。
治療に必要な波長だけを使っているため、短時間の照射で済み、副作用も少なくて済みます。


どのくらい治療にかかるの?

週に2~3回治療を受けていただくと効果的です。
週に1回でも効果があります。
個人差がありますが、乾癬の場合は合計20~30回、白斑の場合はもっと回数がかかります。


副作用について


紫外線を浴びすぎるとやけどを起こしたり、長年繰り返せば皮膚がんを引き起こしたりすることが知られています。たとえ、太陽の紫外線でも同じことを起こします。

ナローバンドUVBも紫外線のひとつなのでそういった恐れが無いわけではありません。
しかし照射回数、照射量の上限を守って的確に行えば、効果の高い治療法なのです。


図3 デルマレイによるNB-UVB療法の代表的症例

症例1

76歳男性。2年前からほぼ全身に鱗屑を伴う紅斑・紅色局面が出現し、近医にてステロイド・ビタミンD3外用、さらに外用PUVA併用するも次第に悪化した。NB-UVB療法開始前、背部全体に鱗屑を伴う紅斑がみられた(A)。NB-UVB療法28回、系26.5J/㎠照射後、皮疹は消失し、色素沈着がみられた(B)。

症例2

57歳女性。2年前から下肢に強く、一部体幹に鱗屑を伴う紅色局面が出現した。近医にてステロイド・ビタミンD3外用するも難治であった。NB-UVB療法開始前、下肢に鱗屑を伴う紅色局面がみられた(A)。NB-UVB療法27回、計31.2J/㎠照射後、皮疹は消失し、色素沈着がみられた(B)。

エキシマライト

エキシマライト

セラビームUV308について

今までのナローバンドUVBは全身療法として(場合によっては局所療法として)開始されていました。
部分的に残る病変や局所の再発に対して、またナローバンドUVBでは効果が見られない病変に、今回からターゲット型光線療法を目的として、セラビームUV308を運転開始いたしました。
正常皮膚への過剰な照射を防ぎ、病変部位を特定して照射が可能なエキシマライトです。
効果と安全性を最大限に引き出す308nmエキシマライト専用フィルターが付いています。
尋常性乾癬、白斑、円形脱毛症、掌蹠膿疱症、湿疹、をはじめとして治りにくい皮膚病変に理想的な効果をもたらすこともできます。

尋常性乾癬治療

尋常性白斑治療

色素沈着は、白斑部の周囲もしくは毛孔からはじまり、それが次第に融合し全体に色素沈着がみられるようになります。

エキシマライトに関する情報はこちらもご覧ください。

テルモ・クリニカルサプライ株式会社
http://terumo.clinicalsupply.co.jp/